2008-06-05 内山節2007『日本人はなぜキツネにだまされなくなったのか』 (講談社現代新書) 読書 日本人はなぜキツネにだまされなくなったのか (講談社現代新書)作者: 内山節出版社/メーカー: 講談社発売日: 2007/11/16メディア: 新書購入: 7人 クリック: 37回この商品を含むブログ (55件) を見る 文章が伸びやかで読みやすい。柳田国男を意識しているのか? 1965を画期とする時間軸の把握をしているが、この前後に日本史上初めて「米あまり」という状況が発生しているということが、あまり重視されていないのが腑に落ちなかった。 赤坂憲雄などにも通じる「山村ロマン」みたいなものが底流にあるのだろうか。 「日本」という国家を考える上で、漁労採集(狩猟はさておきにして)文化をオルタナティブな位置にもっていく枠組みはどうも古びているような気がする。 「漁労-採集-農耕社会」みたいな枠組みのポピュラリティを増していくことが必要なのではないかという読後感をもった。